【文献】高TG血症に対してEPA製剤を服用するとどのくらい心血管リスク低減効果がある?(ビジアブ付き)

REDUCE-IT試験(イコサペント酸エチルのスタチンとの併用がスタチン単独よりも心血管疾患を有意に予防することが証明された試験)についてビジアブ(ビジュアル・アブストラクト)を描きました。

高TG血症に対してEPA製剤を服用するとどのくらい心血管リスク低減効果がある?

文献情報

N Engl J Med. 2019 Jan 3;380(1):11-22.

Cardiovascular Risk Reduction With Icosapent Ethyl for Hypertriglyceridemia

Deepak L Bhatt et al

ビジュアル・アブストラクト

ビジネスとかでよく見る色合いにしてみました。

犬に特に深い意味はありません。ビーグル犬かわいい。

アブストラクト

背景

トリグリセリド値が上昇している患者は虚血性イベントのリスクが高い。高度に精製されたエイコサペンタエン酸エチルエステルであるイコサペントエチルはトリグリセリド値を低下させるが、虚血性イベントへの影響を決定付けるにはまだまだデータが必要であった。

方法

スタチンを服用しており空腹時トリグリセリド値が135~499mg/dL(1.52~5.63mmol/L)、LDL値が41~100mg/dL(1.06~2.59mmol/L)の心血管疾患または糖尿病を持ち、その他の危険因子を有する患者を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。

患者はイコサペントエチル2gを1日2回投与(1日4g)またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。

主要エンドポイントは心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈血行再建術、または不安定狭心症の複合とした。

重要な二次エンドポイントは心血管死、非致死的心筋梗塞、または非致死的脳卒中の複合とした。

結果

合計8179人の患者が登録され(70.7%が心血管イベントの二次予防のため)、中央値で4.9年間追跡した。

一次エンドポイントイベントはプラセボ群の22.0%に対し、イコサペントエチル群では17.2%の患者で発生した(ハザード比0.75;95%信頼区間[CI]、0.68~0.83;P<0.001);主要な二次エンドポイントに対応する割合は11.2%と14.8%であった(ハザード比0.74;95%CI、0.65~0.83;P<0.001)。

あらかじめ指定した階層的スキーマに従って評価された追加の虚血性エンドポイントの割合は心血管死の割合を含めイコサペントエチル群の方がプラセボ群よりも有意に低かった(4.3%対5.2%、ハザード比0.80、95%信頼区間、0.66~0.98、P=0.03)。

イコサペントエチル群では、割合としては少ないがプラセボ群よりも心房細動または心房粗動で入院した患者の割合が高かった(3.1%対2.1%、P=0.004)。

重篤な出血イベントはイコサペントエチル群では2.7%、プラセボ群では2.1%に発生した(P=0.06)。

結論

スタチンを使用しているにもかかわらずトリグリセリド値が上昇している患者において、心血管死を含む虚血性イベントのリスクはイコサペントエチル2gを1日2回投与された患者ではプラセボを投与された患者よりも有意に低かった。

メモ

国内EPA製剤

エパデール(イコサペント酸エチル)

イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回900mg(3カプセル)を1日2回又は1回600mg(2カプセル)を1日3回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセリドの異常を呈する場合には、その程度により、1回900mg(3カプセル)、1日3回まで増量できる。

ロトリガ(オメガ-3脂肪酸エチル)

通常、成人にはオメガ-3脂肪酸エチルとして1回2gを1日1回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセリド高値の程度により1回2g、1日2回まで増量できる。

フィブラートの心血管イベント抑制効果

ランダム化試験では、徐放性ナイアシンやフィブラートのようなTG値を減少させる治療はスタチンに加えても心血管イベント発生率を減らさないことが明らかとなっている。

In randomized trials, medications that reduce triglyceride levels, such as extended-release niacin and fibrates, have not reduced the rates of cardiovascular events when administered in addition to appropriate medical therapy, including statins.

N Engl J Med. 2019 Jan 3;380(1):11-22.

EPAの作用

イコサペントエチルは抗炎症作用、抗酸化作用、プラーク安定化作用、および膜安定化作用を有する可能性がある。

icosapent ethyl may have antiinflammatory, antioxidative, plaque-stabilizing, and membrane-stabilizing properties.

N Engl J Med. 2019 Jan 3;380(1):11-22.

日本人での結果(JELIS)

Japan EPA Lipid Intervention Study(JELIS)では、日本人の高コレステロール血症患者18,645人を対象に、低強度スタチン療法とEPA1.8gを1日1回投与する群とスタチン単独群のいずれかに無作為に割り付けた。主要冠動脈イベントのリスクはEPAとスタチンを併用した群の方がスタチン単独群よりも19%有意に低かった。

In the Japan EPA Lipid Intervention Study (JELIS), 18,645 Japanese patients with hypercholesterolemia were randomly assigned to receive either low-intensity statin therapy plus 1.8 g of eicosapentaenoic acid (EPA) daily or statin therapy alone (there was no placebo group). The risk of major coronary events was significantly lower, by 19%, in the group that received EPA plus statin therapy than in the group that received statin therapy alone.

N Engl J Med. 2019 Jan 3;380(1):11-22.

To be continued…

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