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カリウム製剤の切り替えはどうすればいいの?

患者さんが持参薬でアスパラカリウムを持ってきたけれど院内採用薬にない場合など、カリウム製剤の切り替えが必要な場面があると思います。

このとき、mEq数を基に換算すると思いがけずK値が上昇してしまうなどうまく行かない場合があります。

これは各製剤の生体内利用率や組織移行性等の違いによるものと考えられており、換算式などもないため一般的には“常用量対比”を用いることが多いです。

常用量対比とは、各製剤の1日量の上限を等量と考えて比例計算することです。例えば添付文書によるとアスパラカリウム 1.8mEq/錠は「通常成人1日0.9~2.7g(3~9錠)を分割経口投与」なので、常用量の1日カリウム量としては5.4~16.2mEq/日になります。

グルコン酸カリウムは「1回カリウム10mEq相当量を1日3~4回経口投与」するので、常用量の1日カリウム量としては30~40mEq/日になります。

それぞれの上限量からアスパラカリウムとグルコン酸カリウムの比は約0.4:1(16.2:40)となるので、アスパラカリウムのmEq量に2.5を掛けるとグルコン酸カリウムの切り替えるべきmEq量になります(図1)。

切り替え後の定期的なK値測定や用量調節は前提として必要ですが、切り替え時の指標として活用できるでしょう。

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