マスクをしていても目をこすってはいけない3つの理由【いらすとやで学ぶ感染対策】

コロナ禍の昨今、場面場面における要不要の議論は置いておいて、マスクはどの人もつけるのが当然の光景となっていますね。

ただ、

マスクさえすれば感染対策は万全である

そう思っている人はいないでしょうか。

私には最近気になっていることがあります。

道を歩けばマスクをきちんとしている人が、目を三こすり四こすり。職場においてもマスクはしっかりしているけれど、目玉が痒いか眠いのか、洗ってない手でついこする。

そんな感染リテラシーが高いのか低いのかわからない人を本当によく見ます。

世の人には、今の状況においても「目をこする」ということに対して無頓着な人が多すぎるように思います。

目をこするのは立派な感染リスクたりえます。

道行く人を見ているとこれではウイルスの思うつぼであり第二波待ったなしだろうと危機感を抱かずにはいられなかったので、目をこすることのリスクについて記事にまとめました。

(いつもは医療従事者向けに記事を書いていますが、今回はそうでない人に向けても書いてます。そんなの当然じゃんという人は読み流してください)

マスクをしていても目をこすってはいけない3つの理由

ウイルスは粘膜からも感染する

なんで目をこすっちゃいけないのか。

それは、ウイルスは粘膜からも感染しうるからです。

                                 終  
                               制作・著作
                               ━━━━━
                                ⓃⒽⓀ 


正直これ以上の説明はないように思うのですが、さすがにこれだけだと記事にする意味を問われかねないのでもう少し書こうと思います。

Q1 どのようにして目から新型コロナウイルスが感染するのですか?

新型コロナウイルスに感染した方の咳やくしゃみ、しゃべっているときの唾液(つば)に含まれるウイルスがあなたの顔にかかった場合、目の粘膜(結膜)からウイルスが体の中に入る(ウイルスに感染する)可能性があります。また、ウイルスが付いたテーブルや椅子、パソコンのキーボードなどをあなたがさわって、そのまま手で目をこすったりさわったりした場合にもウイルスに感染する可能性があります。

日本眼科学会 新型コロナウイルス感染症の目に関する情報について

日本眼科学会の出している書面です。

ウイルスが付いたものを触って、そのままその手で目をこすった場合に感染する可能性がありますと書かれています。

また、文献(PMID: 32490972)では次のように書かれていました。

種々の表面に付着したエアロゾル中でのウイルスの安定性が実証されており、口、鼻、目の粘膜を介した間接的なウイルス獲得を支持しています。

Viral stability in aerosols on different surfaces has been demonstrated, supporting evidence on indirect viral acquisition from fomites, through the mucous membranes of the mouth, nose and eyes

Arq Bras Oftalmol. 2020 Jun;83(3):250-261. 

結膜がSARS-CoV-2の侵入経路として機能する可能性を示唆するいくつかの仮説的なメカニズムが提案されています。それを支持または反論するエビデンスの程度は様々であり、結膜からの感染は依然として論争の的となっています。

A few hypothetical mechanisms have been proposed suggesting that the conjunctiva may act as an entry route for SARS-CoV-2. With the varying degrees of evidence supporting or refuting it, conjunctival transmission remains controversial.

Arq Bras Oftalmol. 2020 Jun;83(3):250-261.

結膜感染も現時点では賛否両論あるようですが、いくつかのメカニズムが提案されているようです。

そのため、どちらにせよウイルスが眼から感染しうることは確かであると考えるべきであり、それに則った感染対策を取るべきでしょう。

目をこすることで感染するイメージ図

目をこすることで感染するイメージを図にしてみました。

手すりやテーブルやパソコンのキーボードなどにウイルスが付いていた場合、目をこすることで感染が成立してしまいます。

ありそうな疑問

そこにウイルスなんていないと思う人
そこにウイルスなんていないと思う人

いやいやそんなところにウイルス付いてないでしょ?

そう思う人もいるかもしれません。

たしかにそこにはウイルスは付いていないかもしれません。

しかし、ウイルスが付いていないと証明できますか? できないと思います。

そのため「かもしれない」と思って感染対策を取ることが、こと現状においては重要だと思います。


手を洗う人
手を洗う人

さっき手を洗ったから私は別に大丈夫です

そう思う人いるかもしれません。

しかし、完璧に手を洗えたと胸を張って言えるでしょうか?

次の図を見てください。

%:洗い残した人の割合 東京都福祉保健局HP(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/smph/tamakodaira/shokuhin/syokuhinntopiltukusu/tearai.html)より引用

これは福祉施設や病院、飲食店などの従業員の方と一般市民の方、合計1,412名を対象に手洗いの洗い残しがどのくらいあるか調査した結果です。

洗い残した割合で色分けした手形(上図)を見ると、手の平側よりも手の甲側、特に指先で赤色やオレンジ色、黄色が多く、洗い残しが多いことがわかります。

特に目をこするときに使いがちな人差し指は65%以上の人が洗い残しているようです。

どうでしょうか。これを見ても自分は完璧に手を洗えていると言えるでしょうか?

↑ 職場では毎年、こんな感じの機械で全職員に手洗いチェックが行われていますが、かなりしっかり手を洗わないと洗い残しが発覚してしまいます。

手を洗ったとしても目をこすることで感染するイメージ図

また、完璧に手を洗ったとすればもう目をこすってもいいと言えるでしょうか?

次の「手を洗ったとしても目をこすることで感染するイメージ図」をご覧ください。

極端かもしれませんが、せっかく手を洗ってもその後にウイルスが付いているものを触ることで結局は同じことになってしまっていますね。

患者の目からウイルスが伝播する可能性もある

わかもの
わかもの

自分は若者だしまあ別に感染してもいいしなあ

そう思っている人もいるかもしれません。

少数の患者では、SARS-CoV-2 RNAが涙膜から分離されている。

In a small percentage of patients, SARS-CoV-2 RNA has been isolated in the tear film.

Arq Bras Oftalmol. 2020 Jun;83(3):250-261.

患者の涙膜からもウイルスが分離されているのが確認されているとのこと。

少数の患者とのことですが仮にそれが本当だった場合、かつ上記のように思っている人が不顕性感染(発症していないけど感染している状態)だった場合、その人が目をこすった手で色々なものを触ることで、感染の媒介となってしまう可能性があります。

そのため、どちらにせよ目をこすることにいいことはありません。

上記のことを考えると絶対にするべきではないと言えるでしょう。

目をこすることによるその他の8つのリスク

また、新型コロナを抜きにしても目をこすることにいいことはありません。

無意識のうちに、目をこすっていたり、かゆみがありこすってしまうことありませんか?目をこすっていい事なんて1つもありません!

目をこすると・・・

●炎症が悪化する。(充血が強くなる)

●白目がブクブクに腫れる。

●ものもらいができる。

●眼圧が上昇する。

●目に傷がつく。

●痛みが増す。

●目が腫れる。

●感染性の結膜炎が感染する可能性がある。

などなど

目をこする行為は、目を殴っていることと同じくらいの負担がかかります。目は緻密な構造でできている組織です。

目はこすらない!触らない!を守りましょう!

すずき眼科クリニックHP(https://www.suzuki-eyeclinic.com/blog/395)より引用
薬剤師うさぎ
薬剤師うさぎ

びっくするくらいいいことが一つもない!

そのため、上に書いてあるように目はこすらない!触らない!は守るべきでしょう。

マスクをしていても目をこすってはいけないことを踏まえての対策

とにかく目をさわらない。もしさわったら手を洗う。

日本眼科学会「新型コロナウイルス感染症の目に関する情報について」から引用します。

結局はこの2つに尽きると思います。

  • 洗っていない手で目をさわらないようにしてください(他人から自分にウイルスを感染させない)
  • 目をさわったあとに手を洗わずに、あちらこちらをさわらないようにしてください(自分から他人にウイルスを感染させない)

目がかゆいときの応急処置

目がとてもかゆい人
目がとてもかゆい人

そんなこと言われてもかゆいものはかゆいのですが一体私はどうすればよいのでしょう

そう思う方もいると思います。

そんなときは次の記述が参考になりそうです。

目薬などがない場合は、冷やすのが効果的です。かゆみは冷やすことで収まっていきます。また、疲れ目用のスーっとした刺激のある目薬を使ってもいいでしょう。かゆみ止めの点眼薬があればなおさらです。

かゆみを放置せず、受診していただくのが一番でしょう。抗アレルギー薬の点眼、かゆみ止めの点眼薬などを処方します。

Medical DOC(https://medicaldoc.jp/column/201903p0486/)より引用

上記引用は眼科医監修のものですが、抗アレルギー薬の点眼のほかにクール感のある目薬も効果的であり、目薬がなければ冷やすのも良いとのこと。

続くようであれば眼科を受診するなどして早めに対応しましょう。

マスクをしていても目をこすってはいけない3つの理由のまとめ

マスクをしていても目をこすってはいけない3つの理由
  • ウイルスは粘膜からも感染しうるから
  • 自分が感染していた場合、感染を広めてしまう可能性があるから
  • 新型コロナ抜きにしてもその他色々なリスクがあるから

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

マスクをしていても目をこすってはいけない3つの理由について解説しました。

どうでしょうか。

それでも目をこすりますか?

それとも……こすらないですか?

私もこの記事を書いていたら目が痒くなってきました。でも我慢します。

参考文献

Juan Pablo Olivares-de Emparan et al.,COVID-19 and the Eye: How Much Do We Really Know? A Best Evidence Review, Arq Bras Oftalmol. 2020 Jun;83(3):250-261. 

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