Randomized Controlled Trial JAMA Psychiatry, 71 (4), 397-403 Apr 2014
Preventive Effects of Ramelteon on Delirium: A Randomized Placebo-Controlled Trial
Kotaro Hatta , Yasuhiro Kishi , Ken Wada , Takashi Takeuchi , Toshinari Odawara , Chie Usui , Hiroyuki Nakamura , DELIRIA-J GroupAffiliations expand
- PMID: 24554232
- DOI: 10.1001/jamapsychiatry.2013.3320
もくじ
目的
メラトニンアゴニストであるラメルテオン(ロゼレム)がせん妄の予防に効果があるか検証することを目的とした。
方法
多施設研究、評価者盲検、ランダム化プラセボ比較試験、4つの大学病院と1つの総合病院のICUと救命病棟にて2011年9月1日〜2012年10月31日にかけて行われた。
対象は65歳から89歳、重症疾患で新規に入院した患者、口から薬を服用できる患者とした。在院日数、余命48時間未満の患者は除外した。肝不全患者やレビー小体型認知症患者も意識障害がせん妄と区別しづらいため除外している。また、フルボキサミン服用患者はラメルテオンと相互作用を起こすため除外となっている。
67人が封筒法(無作為割付の方法)を用いてランダムにラメルテオン服用群(8mg/day、33人)とプラセボ服用群(34人):どちらも7日間服用、に割り付けられた。
主要評価項目
せん妄の発現(精神障害の診断と統計マニュアル[第4版]により定義)
結果
ラメルテオンはせん妄のリスク低減に関連していた(3% vs 32%;P=0.03)、相対リスク0.09(95%信頼区間0.01-0.69)。
リスク要因(加齢、せん妄発現歴、認知症etc)調整後でもラメルテオンはせん妄リスク低減に関連していた(P=0.1;オッズ比,0.07[95%Cl, 0.008-0.54])。
カプランマイヤー法ではラメルテオンでせん妄発症まで6.94日(95%Cl, 6.82-7.06)だったのに対し、プラセボで5.74日(95%Cl, 5.05-6.42)だった。
ログランク検定による比較ではせん妄発症頻度はラメルテオン服用群で有意に低かった(X(2) = 9.83; P = 0.02)。
結論
急性期治療で入院した高齢患者に対するラメルテオンの投与はせん妄予防効果があるかもしれない。
この知見はせん妄においてメラトニンは神経伝達に何らかの役割があるという可能性に寄与するものである。
文献リンク
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