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牛乳アレルギーに禁忌の乳酸菌製剤と禁忌じゃない乳酸菌製剤の違いってなに?

同じ乳酸菌製剤でも

エンテノロンR散ラックビーR散は牛乳アレルギー患者に禁忌ですが、ラックビー微粒Nやビオスリー、ビオフェルミンR散・錠には禁忌の指定はありません。

果たしてその違いとは何なのでしょうか?

Q:牛乳アレルギーに禁忌の乳酸菌製剤と禁忌じゃない乳酸菌製剤の違いってなに?

A:菌が脱脂粉乳で育ったか、そうじゃないかの違い。

牛乳アレルギーに禁忌の乳酸菌製剤と禁忌じゃない乳酸菌製剤の違いは、乳酸菌が脱脂粉乳を飲んで育ったか、そうじゃないかの違いです。

つまり、菌を製造するときの培地に牛乳由来成分である脱脂粉乳を使用することがあるのですが、脱脂粉乳を使用して生育された乳酸菌を用いた乳酸菌製剤では脱脂粉乳に含まれるカゼインによってアレルギーが引き起こされてしまう……というわけです。

「乳酸菌」というとなんとなく牛乳っぽい名前なので乳酸菌自体によりアレルギーが引き起こされるような気もしますが、そういうわけではないのですね。

牛乳アレルギーに禁忌の乳酸菌製剤

エンテノロン-R散やラックビーR散、後発品である耐性乳酸菌散は製造段階の培地に脱脂粉乳が含まれるため、牛乳アレルギー患者への投与は禁忌となっています。

牛乳アレルギー患者へも投与可能な乳酸菌製剤

その他、ビオフェルミンR散・錠やビオスリー散・錠、ラックビー微粒N、レベニンS散・カプセル、ビオスミン散などは、製造段階の培地に脱脂粉乳を使用していないため牛乳アレルギー患者へも投与が可能となっています。

同じ耐性乳酸菌でもエンテノロン-RやラックビーRは禁忌で、ビオフェルミンRは禁忌じゃないので、耐性乳酸菌だからといって一律に禁忌と覚えるのはあまり良くないんですね。

ただ、これらの乳酸菌製剤でも、培地にペプトンなどの牛乳由来成分を使用している場合があります。

これらは含有量が極微量であり、後の精製過程でほぼ取り除かれるため添付文書でも禁忌指定はされていませんが、感受性の高い牛乳アレルギー患者に対しては脱脂粉乳とペプトン、どちらも使用していない製剤の使用も場合によっては考慮する必要があるかもしれません。2)

参考文献

  1. 各種添付文書
  2. 杉崎千鶴子「食物アレルギー患者に注意を要する医薬品 (1)食物アレルギー患者への投与禁忌の医薬品」薬局 64(3): 503-508, 2013.

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